コラムVol.06


ツタ

カエルの足に似てるとかなんとか

職場のビルはツタビルです。しかし手入れの無いツタビルであります。つまり大変見苦しい。毎年夏には自然に任せて大暴れのツタを見ることになります。鍵の掛かった開かずの窓の隙間から室内に侵入していたりします。

ところがこのツタ、盆栽ではポピュラーな素材ということが分かってきました。ツル部分を切り続けていると普通に木として見れるようになるということ、大変強健で初心者でも挿し木・実生でカンタンに増やせると本に書いてあります。

なんだー、じゃ、早速ゲット、ということで挿し穂を作ろうと思い、ツタを切ってきましたが、、、アレ?この部分てツルの部分なんじゃ、、、イヤマァ、ツル部でもOKでしょう。挿します、、、数日後、枯れます、、、もう一度じゃ、元気旺盛なツル部を挿し穂にして挿します、、、数日後、枯れます、、、おかしい、じゃ、木質な部分を選んで採ってきて、挿し穂を作り、挿します、、、数日後、枯れます、、、なんじゃあこりゃあ?ちっとも上手くイカンじゃないか!!

こうなると意地でもウチのビルヅタを盆栽にあげないと気がすまないのが相幻であります。秋に実がなるのを待って実を採り(実はタネ率が9割のブドウ、といった感じのもの)タネをとって蒔く、、、冬の間も乾いては水をやり、面倒を見続けて春を迎えました、、、が、、、芽が出ない、、、サビシイ、、、特に本に容易に活着とか、初心者でも失敗しにくいとか、書いてある樹種が全く上手く生かせないというは余計凹みます。

ある日、スズメノヤリの育苗ポットの中から、なにか双葉が出ているのを見つけました。こぼれ種からの発芽というのはよくあることですから、、、でもよく見るとツタっぽいのです、それは。確かにツタビルの軒下に育苗ポットを置いていたので、ツタの実がポット内に落ちていたことは考えられるのですが、、、こういう、自然任せの方が上手くいくという植物界の現実を知ると、小賢しいことをしても自然に勝てない自分に凹むのであります。


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