コラムVol.10


鉢の外側

この絵好きです、、、

盆栽とは、盆(鉢)に自然の風景を裁(草木)をもって表現する芸術である、、、という考え方が現在主流だと思うのですが、そうすると私の考えでは一つの矛盾というか、納得出来ないことにブチ当たるのであります。

例えば、石付け盆栽は盆が石で、自然の景色、例えば崖や岩ををミニチュア化して表現している訳です。が、鉢、、、鉢って何?みたいなことに、ふと気がつくのです。

盆が鉢なら鉢はなにを見立てたものなのか、、、大地?いや、大地は用土やコケや化粧砂が表しているのでしょう。つまりアレですか、地平線、若しくは空間のキリトリ線の役割なんでしょうか?空間を切り取る、絵でいうところの額縁的なもの?そういうことになるのでしょうか。

額縁的存在、そうすると、盆栽世界で空間を切り取っているものは鉢全体ではなくて、鉢縁てなことになりまスなぁ。そうすると鉢縁以外の鉢のボディの部分は一体何なんでしょうか?盆栽は立体物ですから、裁(草木)の地中の部分、つまり根っこや土などを立体的に空間から切り取っている境界線ということになりましょうか?イヤイヤ、それは鉢の内側の面だけあれば用が足ります。

それじゃ、鉢の外側の面(まぁ、鉢自体にとってはそこがメインという気がするんですが、、、)というのは一体なにか、ということに考えが行き着きます。

そこで私は考えました。アレですよアレ、ほら歴史かなんかの教科書に載っていた「天動説」の時代の、地球の絵ですよ。お盆のようなものに陸と海があって、空からは星や月が糸で吊り下がっていて、お盆の縁からは海の水がこぼれ落ち、そのお盆自体を何頭もの象が鼻で支えていて、その象達が立っている所は巨大陸ガメの甲羅の上になっているという、、、

そうか!「鉢の外側」=「象・陸ガメ」ということなのだ!象や陸ガメは人間の考えの及ばない想像の世界、、、「地動説」の現代で言うなれば「象・陸ガメ」=「宇宙」、、、ア、分かってきました、「鉢の外側」=「宇宙」だったのです!! つまり私はコスモを創造している!!!(、、、スミマセン、ヘンな宗教ではありません、コーフンして調子にのってスミマセン。)

それは置いておいて、この盆栽宇宙説どうでしょう?鉢とはその人の宇宙観を表現するものなのか、も。


Colmun Back Number