コラムVol.18


ジンを削る

昔、「ボンナイフ」ってなかったですか?

以前ご紹介したウワミズザクラ。去年鉢植えにして、やっと低い位置に枝が出てきたのですが、もともとあったヒョロ長い枝に芽が出来ないまま冬になってしまいました。

ヒョロ長い枝はその後、幹肌の張りがなくなって、完全に枯れ枝になってしまったようです。やっぱり芽の無い枝というのは枯れるのですなぁ。

切っちゃえば済むんですが、結構太い枝だし勿体無い感じがするのでなんとか活かす方法は無いかと考えて思いついたのが人工ジンであります。

人工ジンとは枯れ枝の樹皮をむいて白い幹を作ること、、、なんでも自然界においては風雨や日照りにさらされて、古い枝の皮がはがれて裸の枯れ枝が出来、それが天然のジン(神?)ということですが、それを真似て作っちゃおうというのが人工のジンであります。

以前盆栽の本を読んでやり方を知ったのですが。ジン削りはマァ、ベテランになってからで、、、結構コアな技法だし、、、しかも「ジン付けは松柏類や一部の雑木の硬い木質のもの(ウメなど)に限られます」などと書いてあった気がするのですが、、、 サクラはどうなのか、、、?しかもウワミズザクラとかいうサクラのなかでもマニアックな種類、、、それも一部の雑木に含まれるような硬い木質の木なのかも分からない、、、

サクラの木質を考察する材料として燻製があります。燻製のチップ(燻す用の木)に適している木は硬い木と聞いています。そしてチップにはヒッコリーをはじめ、クルミ、リンゴ、ブナ、ナラなどに加え、特に人気のチップはサクラと聞きます。 ということはサクラは硬い木、ジンOK!という寛大なる自己中心的判断のもとジン削りを実行します。、、、枯れ枝の長さを切って適当な長さにして、カッターでですね、皮を削って、、、コレ、楽しいですね実に。なにか木彫をしてるような気分であります。

そして皮を削ったら枝の先端をハサミで切り割ってボサバサにして、自然に折れて出来た風に仕上げます。それで枯れこみを防ぐ為だかなんだかで石灰硫黄合剤をジン部に塗り、完成。

出来た、、、これ、なんかとても人工臭いんですけど。

ウーン、まぁ、これから練習してなんとか、、、しばらくくジンを削る機会は無さそうですが。

それに、サクラ切るナントカと言いますが、こんなことサクラの枝にやって枯れないか心配です、、、


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