コラムVol.21


コケ

ドブの横に生えるのも美しい

盆栽の大事な要素の一つに「表土の景色」があります。鉢植えにはない要素です。盆栽は植木と鉢と表土で一つの世界を作るもの、と心得ます。

そこで、植木を盆栽にする時に、表土に一工夫したいものです。植付け用土丸見え、というのも素朴で結構ですが、化粧砂コケなどを配置するとよりジオラマ感が出て結構なものです。

化粧土は富士砂のように黒い砂、寒水砂のように白い砂などを表土に敷き詰めることで、盆栽らしさがグッと洗練された感じになります。

コケはというと、これも売ってます。なかなか扱っている店は少ないのですが、ホームセンター、園芸専門店、デパートの屋上の園芸ショップ、ネット通販など探すと結構見つかるものです。しかも売っているコケはキレイに揃ったコケで美しい。

コケにも種類が沢山あって、「ヤマゴケ」「ハイゴケ」「スナゴケ」などが主に売られています。特に「ヤマゴケ」、これはザ・コケ、と言った感じで、芝生のように揃っていて美しい、、、ということで、自分のミニ盆栽にも貼ってみました。

こんもりとしたコケの丘の上に木がそびえ立って、結構な景色になります。これは楽しい。じゃんじゃんヤマゴケを貼ってみました。

、、、しかし、ヤマゴケ、こいつはやたら枯れます。

本で調べてみると、日陰向きのコケらしい、、、だってサ、植木の方は大抵日当たりよく育てたいじゃないですか。それで日なたに出しておいた訳ですよ。するとコケがダメになる、、、ヤマゴケとは通称で、「アラハシラガゴケ」「ホソバオキナゴケ」の総称であるとのこと。とくに「ホソバシラガゴケ」は毛並み(?)が細かくて美しいが栽培が難しく、山取り(天然のものを取る)が主である、ということです。市場に出回っているのはほとんどが「アラハシラガゴケ」でホソバに比べてやや毛並みが太く長いらしい。そんなまめ知識はいいのですが、目の前の盆栽どもはとにかく枯れ山だらけになっております。

ハイゴケやスナゴケもいいのですが、これらは若干ハデなコケでして、ちょっと毛並みがデカイ。ウーン、いいコケはないものか、と、ふと買ってきた植木のポットの表土を見ると、そこには毛足の短いコケが少し生えていました。ヤマゴケよりは毛足が短く、ちょっと雑草なんかも混じって生えていて、面積も小さいが、コレを貼るというのもいいかも、、、ということで、早速、植替え時に大事にはがして、植えた木の根元に貼って、、、ウーン、コケ量が少なくて、用土が丸見えだ、、、そこは化粧砂で補って、、、結構イイ感じに仕上がりますねぇ。

そして、ポットについて来たコケはその草木と今まで一緒の環境で育って来ただけあってか、1年経っても大変元気です。なんなら化粧砂の領域まで広がって来るぐらいです。

、、、未だにこのコケの名前は分かりませんが。


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