コラムVol.32


針金の材質

先人のチョイスは無駄にするな

盆栽と言えば、剪定もそうですが、やはり花形作業(と、言うのもおかしいが)は針金かけです。特にミニ盆栽の場合は、木自体が小さいわけですから、枝の1本1本が非常に貴重な存在です。ですから、気に入らない枝があったらバンバン切ってしまうわけにはいかないんです。そこで気に入らない枝も、なるべく生かすのが、針金かけ、という訳なんです。

、、、なんて、ホントは「盆栽やってるナァ!」という気分を満喫したいだけのボク。

針金は大抵、「盆栽用アルミ線」といって、園芸コーナーなどに売っているんですが、大体、針金の太さが1.5mm〜2mmのが多くて、1mm以下のは見当たらないのです。ミニ盆栽の場合は、枝も細いのが多いから(、、、ツマヨウジ盆栽が多いから、というのはヒミツですが)、細めの針金が使いやすいんですけども。それで、ホームセンターでネジクギ類の並ぶコーナーで細い針金を探してみますと、クロムメッキ鋼線というのが、手頃な0.5mm〜0.7mmぐらいの太さで売っていました。よし、コレを買おう。

早速、クロムメッキ鋼線で、アカマツ(のヒョロい実生2年生のやつ)の幹に、らせんに巻いて、適当に曲げてみました。

おー、なんて盆栽みたいなんだ、素晴らしい!

そして半年後、そろそろ幹にクセがついたろうと思い、針金を外してみることにしました。

、、、アレ?針金、、、切れてら。

どうもおかしいと思ったら、メッキなんてとっくにはげて、中の鉄線がサビちゃって、その上細いから、劣化して切れてたんですね。おまけに、サビの跡が幹に着いちゃってる。これは全天候型ミニ盆栽には使えない針金だ。

そこでまた、ホームセンターをうろついていると、イイモノ見つけました。ステンレス針金です。ステンレスならサビに強い。しかも、0.7mmとお手頃な太さのものがある。これを早速購入だ。今度は半年に及ぶ屋外雨ざらしでの使用にも、耐えられるハズだ。早速アカマツに巻いてみます。

、、、イヤァ!この針金硬くて曲がらんよ。幹より曲がらん。

ボク、ユビが痛くなっちゃったよ、、、ステンレスって、カタいんだね、、、勉強になりました。

結局その後、アルミ針金の0.8mmというのをネットで見つけて今は快適に使っています。おかげでクロムメッキ鋼線とステンレス針金の束が使い道もなくホコリかぶって転がっていますけどもね。


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